卒煙シリーズ
第4回目:心理的依存の克服①「行動変容」
第2回目「卒煙まとめ②:2つの依存①「身体的依存」」
第3回目「卒煙まとめ③:2つの依存②「心理的依存」」
では
なぜタバコをやめられないのかについて
簡単にまとめました。
今回からは克服方法についてまとめていきます。
心理的依存の特徴の
「喫煙によるポジティブなイメージは場面とセットで脳に記憶される」
ということを改善する施策です。
行動変容とは分野によって意味合いが多少変わりますが、
療法における意味は
「健康増進のために行動やライフスタイルを改善すること」です。
ウィリアム・ジェイムズの名言の一部分に「行動が変われば習慣が変わる」という言葉があるとおり、
行動変容によって生活習慣を変えるという意味になります。
この記事では禁煙するには習慣を変えるという観点からまとめます。
行動変容を起こすには5つのステージを経る必要があります。
1、無関心期
2、関心期
3、準備期
4、実行期
5、維持期
1、無関心期
生活習慣に問題があることを気づいてない時期。
2、関心期
半年以内に行動変容を起こす意志がある時期。行動変容の必要性を感じつつも動機付けが不安定、意志が決定的でない時期である。
このステージにとどまる人が多いのが特徴。
3、準備期
1ヶ月以内に行動変容を起こそうとする時期。目的の行動変容は起こってなくても、それに関する準備(運動習慣ならば運動シューズを買うこと)をしている時期。
4、実行期
行動変容がおこりつつも習慣となっていない時期(半年以内)。
不安定なため問題がおこれば続かなくなる可能性がある時期。
5、維持期
明確な行動変容が半年以上続いている時期。
外部環境の選択を行える時期(禁煙ならば、ホテルで禁煙部屋を選択できるようになるなど)
喫煙習慣を見直したい際、自分がどのステージにいるのか確認し禁煙を自ら促進する策を講じる必要があります。
一番多いとされる「関心期」においては
両価性(アンビバレンス)が足かせとなります。
「関心期」において両価性が維持されている時期を「関心期前期」と仮名します。
「禁煙したいけど、タバコを吸い続けていたい」という思いのことです。
「禁煙してーな」と言いながらタバコを吸う人のことです。
行動変容するには多くの人はまず両価性をどう克服するかがポイントとなります。
「タバコを吸いたい」という気持ちを否定されると、逆に禁煙に対するやる気が失せやすくなります。
強制的に禁煙しなきゃと考えるよりかはまあタバコ吸わなくてもいいかなと気楽に考えた方が次のステージに向かいやすいのです。
両価性が収まってきたら(自分はこの時期を「関心期後期」と仮名します)は動機付けを強化します。
「まあタバコ吸わなくてもいいかな」
→「タバコ必要なさそうだな、しばらく様子見でやめてみようかな」
という具合です。
関心期後期の目標はタバコを吸わないメリットを挙げられ喫煙との両価性を無くすことです。
「タバコは百害あって一利なし」に気づくことです。
準備期についてですが、一般的には
・喫煙による影響を調べたりし理解する
・周囲に宣言する
・ニコチンパッド等補助薬を準備する
などがありますが、個人的に関心期後期と準備期は同じ時期(自分はこの時期を「関心準備期」と仮名します)として括ってもいいと思います。
逆に両価性が維持されているということはもちろん禁煙に対して関心があるわけで
そのころに「禁煙 効果」や「喫煙所 クラスター」と検索してみたりすることで動機付けを強化するとともに準備も経るため次の実行期にすでに移しやすい状況を作れるのではないかと思います。(準備期を設けるという意識をしないほうがスムーズに進めるということ)
行動変容のゴールは「実行期」を通過して「維持期」です。
説明がややこしくなりましたが以上が「行動変容」の内容です。
・無関心期(何も考えず喫煙)
・関心前期(喫煙しながら禁煙のことを考える)
・関心準備期(ふとタバコをやめれるようになってから動機を強化する【目安:禁煙0日目~数日】)
・実行期(禁煙方法の強化【目安:禁煙数日目~】)
・維持期(脱喫煙者【目安:禁煙半年~)
と便宜上分けました。
習慣面から禁煙を始める際は「関心準備期」・「実行期」でどう工夫するかがカギになるかなと思います。
「関心準備期」・・・正しい知識をつけること、現状を理解すること
「実行期」・・・「代償行動」等駆使し具体的に禁煙を実行すること
2つの時期について具体的な方法を次回の記事にまとめます。
次回のテーマは「心理的依存の克服②禁断症状の対処法」です。
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